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クロード・レヴィストロース氏、死去

2009年11月04日 クロード・レヴィストロース氏、死去

フランスの思想家、クロード・レヴィストロース氏が10月30日に亡くなりました。100歳でした。主要著書は『悲しき熱帯』『構造人類学』『野生の思考』などです。

朝日新聞2009年11月4日夕刊私は、高校の倫理の先生が、「今は実存主義の時代ですよ」と授業で言っていたのを記憶しています。確かに20世紀は実存主義の時代と言っていいでしょう。その実存主義の、特にサルトルの思想に潜む西欧中心の進歩絶対主義を、人類学の立場から痛烈に批判したのがレヴィストロースでした。

彼は、未開と言われる社会のさまざまな分野にうかがえる思考法を分析して、その精密で複雑な構造を浮かび上がらせました。それにより、西欧に匹敵する知的世界の存在を現代に知らしめたのです。その方法は「構造主義」と呼ばれ、20世紀後半から現在に至る思想潮流を切り開きました。 

また、構造主義は、歴史観にも関係があります。朝日新聞11月6日(金)掲載の橋爪大三郎氏の談話によれば、「AはBに変わり、さらにCになりDになる」というマルクス主義の不可逆的な歴史観(弁証法的な、いわゆる唯物史観)に対し、レヴィストロースの構造主義は、「AがBになることとBがAになることは同じ」という、可逆的な「歴史」観を含んでいたようです。

もっとも、同紙11月7日(土)の記事を見ると、レヴィストロース自身は、構造主義は誤解されたとして、その分析の方法(あるいは対象そのもの)を「極端に慎ましい手仕事のようなもの」と考えていたようです。彼自身をゲーテに連なる「賢者」の系列だとする中沢新一氏の談話も紹介しています。

実は、彼(の思想)に対する私の理解もそれに近いものがありました。私事ですが、私の第一子の命名にも、この意味での「構造主義」の間接的な影響、もしくは支持がありました。さて、ここでクエスチョン。私が息子につけた、その名前は何でしょう?

ヒント:レヴィストロース氏は生涯に5度来日し、日本の文化、特に伝統的な職人技術に強い関心を持っていたそうです。今回初めて知ったことですが、やっぱりそうか、と思いました。(12月26日投稿)

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