公務員学科(公務員 専門学校)

その情熱、実現させよう。



北海道 2年制 独自のカリキュラムで全員合格をめざす 公務員学科 公務員事務コース 警察官・消防士コース

ロングセラーの『思考の整理学』

2009年11月15日 ロングセラーの『思考の整理学』

今朝のNHKニュースで特集していた本を紹介します。

外山滋比古著『思考の整理学』外山滋比古著『思考の整理学』です。筑摩書房刊行の「ちくま文庫」で、1986年4月24日第一刷、私が持っているのは、2009年5月25日第51刷です。奥付では、この作品は最初、1983年、「ちくまセミナー1」として刊行されたもののようですが、今朝のニュースでは、9月に、この文庫版が累積で100万部を超えたそうです。

私がこの本を買ったのは、確か7月頃に、著者の外山氏がこの本について、東京大学に招かれて講演をしたとの特集記事が朝日新聞に出ていたからでした。

この本も夏の間に読んだのですが、読んでみると、序章に当たる部分に、

人間にはグライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。

という記述があります。これは、NHKでも外山氏が執筆意図として触れていたことですが、この部分は当学科の学生にとっても、「文章理解」のテキストの例題に出ていて、見覚えのある文章の一節です。

知的整理・創造の本群ところで、この種の、知的生産・創造に関する本は、これまでも時々出版されて話題になり、いずれもロングセラーになっています。ご参考までに、私の手元にある主要な本を集めただけでも、左の写真のようになりました。写真の上から順番に、以下のようになります。(文庫・新書は一応探しやすい形で整理してあるのですが、サイズの違う4と5が書棚に横積みになっていて、探し当てるのに苦労しました。あやうく、写真に撮るのを諦めるところでした。)

  1. 川喜田二郎 『発想法 – 創造性開発のために』中央公論社(中公新書)1967年
  2. 梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波書店(岩波新書)1969年
  3. 渡部昇一『知的生活の方法』講談社(現代新書)1976年
  4. 山根一眞『スーパー書斎の仕事術』ビジネスアスキー(アスペクトブックス)1986年
  5. 同『スーパー書斎の道具術』同(同)1987年
  6. 野口悠紀雄『「超」整理法』中央公論社(中公新書)1993年

類書は無数にありますが、取り挙げた中で、そこに紹介されているテクニックを現在の私が最も多く取り入れているのは、4、5と二冊挙げてある山根氏の本からです。袋ファイルシステムは、自宅でも仕事場でも活用しています。現在、あぶれた資料が整理しきれず、机辺に山のようになっているとはいえ、私の資料整理の根幹は、袋ファイルシステムです。今、この二冊をぱらぱらと見直してみて、使っている角形2号封筒や、その「袋ファイル作成定規」、カッターなど、ほとんどがこの本に由来していることをあらためて実感します。

6も参考になりましたが、実際に私の方法としては取り入れませんでした。野口氏の著作では、『「超」文章法』を当学科の作文・小論文のテキストに使っていたことがあります。3の渡部氏の本は、知的な生活の考え方について何度も読み返しました。2は、当時の学生にとってバイブルのようなものでした。私も「京大型カード」を使っていた時期もあります。「カナモジ・タイプライター」なども懐かしい言葉で、私が英文タイプを始めたのも、その後、ワープロやパソコン導入に積極的に取り組んだのも、この本の影響です。梅棹氏の徹底した現実主義の姿勢はパソコン時代の今でも有効です。

1で紹介されている「KJ法」は、結局、その後のほとんどの「発想法」「生産技術」「整理法」の根幹になっているでしょう。今朝のテレビでも、散歩しながらメモを取る外山氏の姿が出ていました。最近マスコミで良く取り上げられ、当学科でも導入していた「マインドマップ」にしても、ヴィジュアル面で特化した「KJ法」といった趣があります。

今回の外山氏の本は、3と4の間の時期に出版されたものです。しかし、こうして他の本と並べてみると、『整理』と題されているだけに、技術や方法などのノウハウ的な要素がほとんどありません。カードやノートの取り方に触れているところも無いわけではありませんが、記述の中心は「考え方」そのものにあります。

先に引用した序章的な「グライダー」の章の末尾近くには、「この本では、グライダー兼飛行機のような人間となるには、どういうことを心掛ければよいかを考えたい」とあります。そのとおりの本と言ってよいでしょう。まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。ロングセラーとして何かと話題になっていますから、今後の公務員試験で、「文章理解」現代文の課題文として、実際に出題されるかもしれません。

n-25592543 at 17:40 | この記事のURL | |