いよいよ11月
2009年11月01日 いよいよ11月
いよいよ11月です。今年は秋の深まりよりも冬の訪れが早く進行しているようです。その中で、公務員試験の二次最終結果が少しずつ発表になってきています。
10月は、工学院祭と平行して、嵐のような面接練習がありました。該当者はほとんど毎日最終バスまで残り、先生方の指導で面接練習を行いました。混んでいるときは、他の人の練習をひたすら見学するだけで、数時間待っても練習できない人もいました。一部は放課後だけでは間に合わず、授業を抜けさせてもらって練習しました。土曜日も集まって練習しました。こうして面接練習を続けていると、同じ目標に向かうチームのような一体感が生まれるときがあります。今年はそれを感じる暇すらありませんでした。そのため、このブログの更新も、ままならぬ状態でした。
しかし、ピークが過ぎた10月の最後の週は、ほとんど数人が残って練習するだけになりました。面接練習の慌ただしさがなくなってしまうと、逆に一抹の寂しさを感じるほどです。
一方で、本番の面接試験を終えて戻ってきた人たちからは、報告書が出始めるようになりました。
それら、学生の面接試験の報告を聞き、報告書を読むと、今年、顕著なのは面接官の方々の物腰が、きわめて丁寧、穏健であったらしいことです。その傾向が、ここ数年、徐々に強まっているのは感じていました。
特に公安系公務員の一部では、強圧的な、いわゆる「圧迫面接」に類する面接が行われてきました。そうした職種では、犯罪者や危険に対峙しても負けない胆力が必要とされるでしょうから、採用時に、受験者の胆力を試すような面接が行われてきたのだと思います。報告を聞き合わせると、面接官の間で役割を分担して意図的に行われているらしいことも推察できました。
しかし、その「圧迫面接」の一部で、時として受験者に対する人格侮辱や男女差別に類する無神経な言葉が含まれることもあったようです。学生からは怒りや悲しみ、屈辱感に満ちた報告を聞くことが、時折ありました。そうした「圧迫面接」に対する恐怖心も、学生の間にはあったようです。
たとえば、公安系のある職種では、二回行われる面接の一方(50%)がいわゆる「圧迫面接」だと、かつては言われていました。公安系だけではなく、事務職のある職種でも、三室ある内の一室(33%)でその種の面接が行われている、という話もありました。しかし、今回、学生の報告を総合すると、今年はその「圧迫型」に出会う確率は、わずか数%に激減しているようです。
人権にもっとも敏感であるべき公務員を採用する場で、時として人権侵害に通じかねない状況があるというのは、皮肉なことで、非常に問題がありました。しかし、それを訴えるには(まさか、露骨なしっぺ返しや報復があるとは思えないにしても)、こちら側にある種の、特別な覚悟が必要です。
近年、そうした問題性が解消されつつあるのは、きわめて喜ばしいことです。
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