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河野澄子さん死去

2008年08月05日 河野澄子さん死去

松本サリン事件の被害者、河野澄子さんが、8月5日に亡くなりました。

朝日新聞8月5日夕刊「松本サリン事件」は、オウム真理教が引き起こした一連の事件の中でも、大量殺人を狙った最初の事件です。

この事件は、1994年6月27日の夜、長野県松本市で起きたガス中毒事件として、テレビのニュース番組の中でもリアルタイムで速報されました。被害の大きさ(最終的に、死亡者7人、被害者数百人)が次第に判明するにつれ、故意に引き起こされた事件として、第一通報者の河野義行さんを疑うような報道が多くなりました。やがて、警察からも事情聴取され、ほぼ犯人として扱われるようになりました。

その疑いが晴れ、河野さん一家が純然たる被害者であると判明したのは、翌年の3月20日に東京で地下鉄サリン事件が起こり、オウム真理教の犯行と断定されてからのことです。

私も、当時、報道を安易に信じたものでしたが、国家公安委員長を務めていた野中広務氏が、面会を求めてきた河野さんに明確に謝罪したことは、救いでした。(政治家の言動の重さを感じたのは、後藤田正晴氏以来だと思った記憶があります。)

その後、河野義行さんが、オウム真理教に対する発言できわめて冷静な立場を堅持し続けたことは、驚きでした。また、後に、田中康夫長野県知事の要請で長野県の公安委員を務めたことは、大変意義あることだったと思います。

そのような対外的な活動の一方で、河野義行さんとご家族は、事件以来、意識不明になった奥さんの澄子さんの闘病を、献身的な介護で支えてきたのです。

今回の訃報で、評論家の江川紹子さんが、「子供にとっても、会話ができなくてもお母さんが息をして温かい、ということが励みになっていたと思う。本当にお気の毒だ」「あらためて事件のひどさを感じた」(8月5日朝日新聞夕刊)とコメントしていました。

謹んで、河野澄子さんのご冥福をお祈りします。

警察の捜査ミスやマスメディアのミスリードは、最近もありました。もちろん、公共的な立場にある者として、私たち教育関係者も、決して人ごとではありません。仕事上、言葉を主要な道具とするのですが、あらためて、その言葉の危うさと責任の重さを考えています。(8月30日記)

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