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「裁判員制度」と模擬裁判

2008年06月06日 「裁判員制度」と模擬裁判

昨日6月5日(木)の午後、札幌地方検察庁から検察官の方々が来られ、行政学科の特別講義として、模擬裁判が行われました。

これは、裁判員制度についての検察庁の広報活動の一環として行われたものです。行政学科としても、裁判制度を学び、裁判員制度の知識を得る絶好の機会でした。

検察官による起訴状朗読「裁判員制度」は、来年5月をめどに導入される予定の制度で、20歳以上の国民を対象に、裁判員が選ばれ、実際の裁判で裁判官と並んで審判に参加する制度です。

最初に、「裁判員制度」についての紹介アニメの30分ほどのビデオを見ました。そして、5分ほどの休憩を挟んで、いよいよ「模擬裁判」が始まりました。

 

弁護人による反対尋問アメリカ映画の裁判ものなどで私たちが良く目にしているのは、「陪審員制度」です。そこでは、一般市民から選ばれた陪審員が裁判の検察・弁護の双方の言い分を聞き、被告が有罪か否かを陪審員だけが協議して決定するようです。

映画では、事件をめぐって検察・弁護の双方がいかに陪審員を説得するか、被告に対する心証を定めるかに攻防があり、ドラマチックな盛り上がりがあります。被告が有罪となれば、実際の刑の重さは裁判官が決定するのが、陪審員制度です。

評議班1

日本が今度導入する「裁判員制度」は、裁判官と並んで審判に参加し、実際に被告や証人に質問もします。審理が終わったあとは裁判官とともに評議して罪の有る無しを判断し、有罪ならば刑の重さまで決定します。「陪審員制度」と比べると、裁判への関与の度合いがより大きく深く設定されていると言えます。

 

模擬裁判で取り扱う事例は「飲酒運転交通事故」です。検察庁で作成されたシナリオどおりに、それぞれの役に当てられた学生が台詞を読み、移動し、配役以外の学生は傍聴席で見守る、という形で進行しました。

評議班2審理が終わった後、休憩を挟み、学生は2班に分かれ、それぞれ別室で、検事の方の司会のもとに、評議に入りました。時間的にも多く割かれ、学生の印象も強かったようです。ですから、模擬裁判は、この評議の方が実質的なメインだと言えるでしょう。

 

 

宣告

シナリオの中では、検察側の求刑は8年でしたが、それぞれ別室で評議した2班の決定は、偶然に一致して、ともに懲役15年と出ました。最高刑の無期懲役は採用しなかったものの、量刑はきわめて重くなりました。

私は、学生のほとんどが20歳未満で、車の運転も酒も大半が未経験、しかもアルバイト以外は社会経験もないので、その分(若さ故の厳しさから)、量刑が重く出たのだと考えました。シナリオ的にも被告に考慮すべき要素が少なかったのですが、検察の方のお話では、最近は飲酒運転に厳しい風潮と、遺族の被害者感情を尊重する傾向があって、量刑は重くなりがちであるそうです。類似のシナリオで催した60代の方々の模擬裁判でも、懲役10年、15年と出たそうですから、若さはほとんど関係がなかったようです。

後で、参加した学生に感想を聞くと、「制度がよく分かった」「裁判員として実際に参加してみたい」という意見や、「被告の言葉がどれだけ信用できるのか判断するのが難しい」「被告に心情移入することもあるかもしれない」「自分の判断でその人の人生が決まるのかと思うと気持ちが重くなった」「報復があるかも知れないと考えると裁判員として参加するのが怖い」などの意見がありました。

ともかく、貴重な勉強の機会を与えてくださった札幌地方検察庁の方々には感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

n-25592543 at 13:59 | この記事のURL | |