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方言で書かれた市民憲章

2007年04月23日 方言で書かれた市民憲章

下に紹介するのは、宮城県栗原市の市民憲章(案)ですが、これに関し、市民の間で賛否が分かれ、議論になっているとの報道がありました。

眼(まなぐ) 光をにらみ
足 大地を踏んまえ
手 明日(あした)をぎっちり押さえ
腹ん中 熱(あ)っつぐ熱(あ)っつぐ

額(ひて)こびに広がる宇宙
天(あま)駈(か)ける駒にまたがり
おれらいま風を切って走る

新聞には、「田舎っぽい」「東北の暗さが強調される」などの批判が紹介されていました(朝日新聞4月17日、21日)。さあ、この憲章案を読んでみて、皆さんはどう考えるでしょうか。武者絵のようなイメージがあり、結構イケているのではないかと、全くの部外者である私には思えます。少なくとも、平凡ではありませんね。

栗原市のホームページを覗いてみると、掲載データでは、意見を寄せた市民の中で、「基本的に賛成」という人は確かに11%に過ぎず、他は多かれ少なかれ反対意見のようです。

ところが、一方で、「方言を使用すべきでない」という意見そのものはあまり多くなく、むしろ、「憲章(案)の内容や意味がわかりにくい 」という人が53%と、過半を占めています。私は、新聞の報道から、身近過ぎる方言を使うことに対し羞恥心を感じたり、逆に表記された方言に微妙な違和感を感じたりしている人が多いのかと考えたのですが、どうもそのような情況ではなさそうです。中には、方言がもはや縁遠い存在でピンと来ないという若い人も、実際にはいるのかもしれませんが、方言で書かれていることそのものが反対意見の前面に出ているのではないようです。

市民の中には、当然、さまざまなレベルで、さまざまな志向を持つ人たちがいますから、全員を一つに束ねるのは容易ではありません。無難にまとめようとすればありきたりの市民憲章になってしまいますが、そのような定型の市民憲章をむしろ良しとする人もいるでしょう。他方、それに飽きたらず、そこに何らかの力を持たせようとし、工夫を凝らしユニーク化していこうとすると、それにつれ、違和感を覚える人も必然的に増えてきます。その間の見極めが難しいところです。

この種の問題に正解はありませんが、公務員として地域の振興に携わる場合、方言などの文化の問題も含めて、地域の特性をどう捉え、どう打ち出すか、という市民リードの問題が、避けて通れないのは確かです。

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